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citypeach

桃花台とその周辺の「まちづくり」について考える

もし桃花台線「ピーチライナー」を復活させるなら

桃花台線「ピーチライナー」の廃止からおよそ9年。

先日、ようやく愛知県が桃花台線の駅舎や高架橋などのインフラ構造物を全線で撤去する方針を示したとの報道がなされました。

これまで、ほとんど廃止当時の姿のまま放置されたインフラを見ると、「ここに昔は新交通システムが走っていたんだよなぁ」なんて思ったりもしましたが、撤去されてしまうとそういうこともなくなってしまいそうで、少し物寂しさみたいなものを感じたりもしますね。

 

そこで!

今回の記事では、あえて桃花台線の復活について書きたいと思います!

 

と、言っても、もちろん本気で桃花台線を復活させるべきだ!という記事ではございません(笑)。

桃花台線の存廃問題が話題になっていた頃は、どうすれば桃花台線を存続させることができるのか、どうすれば桃花台線を復活させることができるのか、といったことをよく考えていましたが、インフラが撤去されればそういうことを考えることもなくなってしまいますし、メモリアルの意味も込めて、記事を残しておこうという感じです。

 

完全に暇つぶしの落書きみたいなものですので、興味があればお付き合いください。

 

 

 

さて、桃花台線が廃止となった経緯について改めて簡単に確認です。

いちおう真面目な感じでやります。

 

 桃花台線が廃止に至った要因は、利用者が極度に低迷した結果、多額の負債を抱えることになった、ということです。

そして、その利用者低迷の主な原因というのが、名古屋都心へのアクセスが不便な名鉄小牧線への接続ニュータウン人口の伸び悩みニュータウンの入居開始時期と桃花台線の開業時期とが大きくずれ込んでいた、といったところでしょうか。

そもそも論として、当初の需要予測がずさんなものであったため、本来需要が見込めない地域に過剰な投資をつぎ込んで新交通システムを建設してしまったという根本的な問題が最も大きな遠因であると思いますが、ここではあえて触れません。

 

参考:桃花台新交通桃花台線 - Wikipedia

 

ということですので、桃花台線を復活させるには、こういった難題を解消していく策が必要です。

いちおう設定としては、桃花台線は一旦廃止されたものとし、インフラ構造物については運行当時のまま残されているとします。

廃止から4年ほどたつ2010年くらいに復活させる感じで、ゆるーく考えていきたいと思います。

 

 

まずは、名古屋都心部へのアクセスの問題。といっても、この点については実は2003年の地下鉄上飯田線開業によりそれなりに改善されました。

桃花台ニュータウンから桃花台線を経由して名古屋都心部へ向かう場合、名鉄小牧線を利用することになるわけですが、2003年に上飯田平安通駅間で地下鉄上飯田線が開業したことで、名鉄小牧線から地下鉄名城線への乗り換えが便利になりました。実際、この開業効果で桃花台線の利用者数も大幅に回復したとされています。

小牧駅から地下鉄栄駅までの所要時間は約30分。桃花台線の乗車時間を約20分とすれば、栄駅までは約50分で到着できることになり、名鉄バスを利用して春日井駅を経由するJR中央線ルートと比較しても、ほぼ互角となります。

 

一方、分が悪いのは名古屋駅へ向かう場合。

この場合、乗り換え回数が1回で済むJR中央線ルートが圧倒的に便利になります。

JR春日井駅から名古屋駅へは約25分で到着しますが、名鉄小牧駅からの場合は約40分を要し、桃花台線の乗車時間を合わせると両者には20分程度の差が生じます。

加えて運賃の面でもJR中央線ルートの方が割安となり、乗り換えの回数を含めて、名古屋駅を目的地とする場合はこちらが圧倒的に有利となります。

また、大学が集中する名城線の東側に向かう場合もJR中央線ルートが優位となる他、名古屋の副都心として発展しつつある金山駅へ向かう場合も、JR中央線ルートが有無をいわさず優位となります。

 

さらに、桃花台線が廃止された後すぐに名鉄バスがJR春日井駅へ向かう路線バスの運行を開始したため、名古屋都心部へ向かうルートは今ではすっかりこちらのルートで定着してしまいました。

つまり、桃花台線を復活させるのであれば、少なくともJR中央線ルートよりも良い条件で復活案を提示しなければ、利用はほとんど見込めないということになります。

 

そこでまず一つ、桃花台線の復活に際して提案するのが、桃花台線の延伸です。

というか、延伸があれば桃花台線は存続していたと思いますが、今はそういうことは考えません。

 

ご存知の方も多いと思いますが、桃花台線にはもともとJR高蔵寺駅方面への延伸計画がありました。下のサイトで当初の計画ルートが確認できます。

 

桃花台新交通について

 

ただしこのルート、すでにJR春日井駅を経由するバスルートが確立してしまっているため、運賃や所要時間の面でJR春日井駅経由に劣るJR高蔵寺駅をわざわざ経由させるメリットはほとんど失われています。

高蔵寺ニュータウンについても、名古屋都心部へ向かう人が多い層である生産年齢人口が減っており、加えて路線バスが多く運行されているため、新たに軌道系の交通機関を新設する必要性がありません。

延伸計画があった高蔵寺ニュータウンについては、かなり過去の時点ですでに新たな交通機関を建設する必要性はなくなっていたと考えています。)

 

ですので、桃花台線を春日井市方面へ延伸するのであれば、素直にJR春日井駅に接続するのがベストとなります。

 

[延伸案① JR春日井駅ルート]

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現在運行されている名鉄バスのルートを基準にしながら、春日井市内からの利用者を取り込むため、春日井市総合体育館や春日井市役所を経由してJR春日井駅に向かうルートです。駅はおまけです。

ただ、このルートは建設区間が10kmほどになる上、春日井市中心部での用地確保が困難だと考えられることから、少子高齢化が劇的に改善され、日本全体が空前の超好景気(10年くらい続くやつ)にならない限り不可能でしょう。わかっています。

ちなみに、JR高蔵寺駅に向かうルートも延伸区間は約9kmほどになるようです。

 

[延伸案② 名鉄岩倉駅ルート]

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こちらは、小牧駅のループを取り払い、そこから名鉄岩倉駅まで延伸するルートです。

延伸区間は約6kmで、JR高蔵寺駅・JR春日井駅への延伸よりも距離が短く済みます。

実は、名鉄犬山線岩倉駅から名鉄名古屋駅までは、列車の種別にもよりますが、15分~20分程度しか要しません。

桃花台ニュータウンから名鉄岩倉駅までを40分とした場合、最短で50分程度、長くかかっても1時間ほどで名鉄名古屋駅に到着することができ、運賃もJR中央線とほぼ変わりません。途中の上小田井駅では鶴舞線への乗り換えも便利なため、名古屋都心部へのアクセスは好条件です。

用地の確保や途中の名古屋高速の高架をくぐるのかあるいは飛び越えるのかといった課題はありますが、条件だけ見ればJR中央線ルートにも負けず劣らずであると考えます。

 

ちなみに、現行の名鉄バスのJR春日井駅方面へ向かう路線は、仮に名鉄岩倉駅までの延伸を実現させた上で桃花台線を復活させたとしても、廃止にするべきではないでしょう。

というのも、依然としてJR中央線を経由するルートは、大学生が多く利用する名城線八事駅や本山駅方面へのアクセスという面では優位に立ち続けますし、桃花台ニュータウンで暮らす人の中には、その生活圏が春日井市にまで広がっている人も多いからです。

むしろ下手に路線を廃止して需要を集約させるよりも、地域としての魅力を高めるという意味でも、利用可能な公共交通機関というのは多い方が望ましいと考えます。

 

 

さて、名鉄岩倉駅への延伸が実現し、その他諸々の課題も片付き、桃花台線が再開業する道筋が付いたとします(すごい状況ですね)。

しかし、こうなったとしても、そもそも桃花台ニュータウンの人口が当初のニュータウン開発目標よりも少ない以上、採算ラインを超える利用者を獲得できるかは不透明です。

加えて、ピーチバスへの転換によりこれまで駅から離れていた地区にもバス停が設置され、結果的に利便性が向上したという意見があるのも事実です。

こういった状況を考慮すると、ただ路線を延伸して復活させただけでは利用者を確保できないでしょう。何か利用者を獲得する工夫が必要になります。

 

そこで、さらに2つほど、こういった課題を解消する策を提案します。

 

駅の新設・位置見直し

桃花台線の再開業にあたっては、駅の位置を見直したり、駅を新設するといった作業が必要になると思われます。

具体的には、旧上末駅を廃止し、新たに三菱重工業名古屋誘導推進システム製作所の正面と、小牧市総合運動場の北側に駅を新設することですね。

 

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ピーチバスへの移行後、国道155号線区間にもいくつかバス停が新設されました。これに準じる形で駅を見直すということになります。

三菱重工業の製作所前に駅を設けることで、三菱重工業の従業員にも桃花台線を利用してもらうことができるかもしれませんし、総合運動場に近い場所に駅を新設することで、市民球場でのイベント時などには会場アクセスとして桃花台線を利用してもらうことも可能になります。

ちなみに、上末駅は、別になくしてもいいような気がしました。

 

フィーダーバスの運行

フィーダーバスとは、幹線(主に鉄道を指す)と接続して支線の役割をもって運行される路線バスです。

有名なのは富山ライトレールに接続しているフィーダーバスでしょうか。

フィーダーバスを上手に運行することで、幹線となる鉄道やバスの駅・バス停から離れた地域から幹線の利用者を集約することができますし、こういった地域の交通事情を改善することができます。

 

桃花台線においても、主に2箇所でこのフィーダーバスを運行します。

一つは、藤島・小木地区。

ここでは、市役所を経由して小牧駅まで向かうルートと、小針の郷を経由して南スポーツセンターまで向かうルートの2ルートを運行します。

基本的には現在のこまき巡回バスとかなりルートが被るのではないかと思いますが、これらの地区は公共交通機関の空白地域に当たるため、フィーダーバスを運行することで桃花台線の利用を促進しながら空白地域の解消を狙います。

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 二つ目は桃花台ニュータウンと、隣接する高根地区。

これらの路線は統合しても良いかもしれません。詳しいルートについては各自の妄想にお任せします。

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 これらフィーダーバスは、巡回バスを見直す形で運行することも可能であると思いますが、運行本数を終日を通して確保する必要があるため、やはり巡回バスとは切り離して運行することが望ましいと考えています。

運賃も定額に抑えたいので、できれば一律100円で乗車できるくらいの運賃設定にしたいものです。

 

 

 

さて、これくらい大胆な手法をもって桃花台線を復活させることが出来たなら、「空気を運んでいる」と揶揄された桃花台線も、それなりの利用者を確保することができるのではないでしょうか。

もちろん、沿線人口を増加させたり、市内の企業や高校などに通勤通学する人たちにその利用を促すなどの地道な努力は当然必要になると思いますが、名鉄犬山線への接続で名古屋都心部へのアクセスは大幅に改善したと思いますし、フィーダーバスなどの活用で沿線からの利用者増加も見込めることを考えれば、少なく見積もっても1日5000~6000人程度の利用者数は確保できるのではないかと考えています。

 

逆に言えば、これだけやって1日5000~6000人程度の利用ですからね、すさまじいですよね。

それくらい、桃花台線は困難な状況のもとに半ば強引に建設されていたということです。

 

 

 

 

最後に、桃花台線について。

個人的には、桃花台線建設にあたっての最も致命的なミスは、桃花台ニュータウンの入居開始時期と桃花台線の開業がずれていたこと、そしてなんといってもJR高蔵寺駅まで同時開業しなかったことに尽きると考えています。

 

もし仮に桃花台線が全線開業していて、その時期が桃花台ニュータウンの入居が開始されたタイミングと同じであれば、桃花台ニュータウンの人口は当時の目標人口に大きく近づいていたでしょう。

また、入居開始と開業時期が同タイミングであれば、桃花台線の開業までに住民が自家用車での生活に落ち着いてしまうという事態も避けられたと思われます。

この2点の致命的なミスが、結果的に2006年の廃止に繋がったのだと、私は思っています。

 

 

 

 

今後桃花台線関連で記事を書くとすれば、インフラ撤去後の跡地利用についてでしょうか。

それで桃花台線絡みの記事を書くことはなくなるのだろうと思うと、桃花台線を知っている住民としては少し寂しいものですね。そんなことない人の方が多そうですね(笑)。

 

 さて、何の意味もない記事でしたが、最後までお付き合いいただきましてありがとうございました(笑)。