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中日ビル、地上31階・高さ170mの超高層ビルへ建て替えへ!名古屋・栄の「超高層時代」幕開けなるか

 中日新聞社中部日本ビルディングは15日、中日ビルの建て替えについて基本計画を発表しました。

中日ビルの基本計画発表 外観イメージ初公表

 中日新聞社と子会社の中部日本ビルディング社は15日、名古屋・栄の「中部日本ビルディング中日ビル)」建て替えの基本計画を発表した。

 新ビルは地上31階、地下4階で2024年度に完成予定。初公表された外観イメージでは主に商業施設が入る低層部、オフィスの中層部、ホテルの高層部の各ブロックが階段状に積み上がる。現中日ビルの屋上回転レストランの外観を何らかの形で活用できないか検討している。

 高さ40メートルの低層部の屋上には展望を楽しめる広場を設ける。1階には歩道から出入りできる飲食や物販の店舗を配置。約600席収容の多目的ホールも入る。高層部のホテルは、三菱地所の子会社ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ(東京)が運営する。

新中日ビルの基本計画発表 外観イメージ初公表:経済:中日新聞(CHUNICHI Web)

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中日ビル 外観イメージ(中日新聞記事より引用)

 建て替え後の新中日ビルは地上31階、高さ約170mの超高層ビルとなり、これは栄地区で最高層のビルになります。

 新ビルの低層部は現在の中日ビルの外観を踏襲し、高層部がその上に積み重なる重厚感のあるデザインとなるようです。低層部の高さは約40mに抑えられ、久屋大通に面する他のビルとの調和が図られています。

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中日ビル フロア構成(下記プレスリリースより引用)

中日ビル建て替えの基本計画について(中日新聞社・中部日本ビルディング)

 

 フロア構成を見ると、低層部には商業施設や吹き抜けのイベントスペース、多目的ホールが備えられます。また、低層部の屋上には久屋大通公園を一望できる屋上広場が設けられるようです。中日ビルのシンボルともなっていた屋上回転レストランの外観を何らかの形で活用できないか検討も進められており、完成後は栄の新しい観光スポットとなるかもしれません。

 高層部にはオフィスとホテルが入居します。

 オフィスフロアは栄地区最大の32,000㎡となり、近年は名駅に集積が進みつつあった業務機能の面でも、栄の復権に期待がかかる内容だと感じます。

 ホテルのブランドは三菱地所系のロイヤルパークホテルズとのことで、期待されたラグジュアリーホテルの進出とはなりませんでしたが、栄地区最高層の眺望を生かした魅力あるホテルとして親しまれることでしょう。なお、ホテルは宿泊機能に特化し、カンファレンスやブライダルなどに活用できる施設はありません。

 

 中日ビルの建て替えにより、これまで超高層ビルとは縁遠かった栄にいよいよ待望の超高層ビルが建設されることになります。

 栄は、名駅が再開発によって様変わりする間も長期にわたって再開発が滞り、今でも老朽化したビルが多く残ったままとなっています。

 この結果、名駅には商業、交流、ホテル、オフィスをはじめとした様々な都市機能が集積し、中部地方のビジネスや宿泊の拠点として、さらには中部地方で最も高い百貨店売上高を誇る商業の中心地として成長を遂げるに至りました。栄は再開発の長期停滞により、相対的に名駅に対する競争力を失ってしまったのです。

 この状況を打開するためには、栄でも名駅と同様に商業や交流、ホテル、オフィスなどの都市機能を内包する大規模な再開発計画が必要であると考えています。

 その意味で、中日ビルの建て替えは栄の競争力を高める起爆剤として十分期待できるものであると感じます。特に、栄地区最大のオフィスフロアというのは、マンションやビジネスホテルの建設が相次いでいる栄をビジネスエリアとして再認識させるものになるでしょう。

 

 栄には、新中日ビルの他にも、名古屋市大丸松坂屋百貨店が土地を所有する「栄角地」や老舗百貨店「丸栄」跡地などで再開発事業が検討されています。これらの再開発は栄でも比較的規模の大きな再開発となることから、新中日ビルと同様、多種多様な機能を有する超高層ビルとなることが栄の競争力を高める上で欠かせません。

 新中日ビルに加え、「栄角地」、「丸栄跡地」の再開発でも超高層ビルが建設されれば、栄は名駅に対する競争力を取り戻し、名駅と並び立つ名古屋の二大中心地として復活するはずです。

 また、栄は、名駅にはない街の「面的な広がり」が武器の一つです。栄を南北に貫く久屋大通公園では、その全てのエリアで名古屋市による再整備事業が進められており、錦通から北側のエリアが2020年に、錦通から南側のエリアが2027年までにそれぞれ完成する予定です。

 栄がもともと持つ街の面的な広がりをさらに強化することで、超高層ビルを建設しても、栄は名駅とは違った魅力を持ち続けることができるでしょう。

 

 新中日ビルは、2024年完成予定です。同年には「栄角地」の再開発事業も完了する予定です。

 栄にもついに「超高層時代」がやってくるのでしょうか。新中日ビルに続く再開発の動向に注目が集まります。